永住の許可率と不許可理由

永住許可申請は許可率が低く、永住許可を得るのが難しいと言われています。

しかし、要件を満たしており、かつ、しっかりした理由書と立証資料を準備すれば許可を得られる可能性は十分にあります。

当記事では、永住許可申請の許可率と不許可になる理由、対処方法について解説します。

永住許可申請の許可率

入管の公表資料によると、近年の永住許可申請の申請(処理)件数は年間5~6万件で、許可件数は約3万件、許可率は50~60%となっています。他の在留資格申請とくらべて、永住許可申請の許可率は低く難易度が高い申請と言えます。

永住許可申請の件数と許可率

申請件数 許可件数 許可率
2017年 50,907 28,924 56.8%
2018年 61,027 31,526 51,7%
2019年 56,902 32,213 56.6%
2020年 57,570 29,747 51.7%
2021年 64,149 36,691 57.2%

出典:入管統計データーより

不許可許可の主な理由

・永住申請に必要な在留期間を満たしていない

永住申請をするには原則として、引き続き10年以上日本に住み。このうち就労資格または居住資格をもって引き続き5年以上在留していることが必要です。

注意が必要なのは、在留期間が途切れていないことです。在留期間が途切れると合算はされずにリセットされます。
さらに、在留期間が途切れていなくても海外出張や帰省等で長期間出国していた場合も、在留期間はリセットされます。このことを知らずに申請して不許可となる例が多くあります。

一方、在留資格によっては必要な在留期間が短くなるケースもあります。

詳細については、下記のページをご覧ください。

・年収がたりない

安定した生活を続けることができると認められる年収が必要です。申請者の年収の目安として、概ね300万円+扶養者1名あたり60~80万円必要と言われています。

ただし、申請者だけでなく世帯全体でみた場合の収入や、預貯金、不動産などの資産も考慮されます。

確認期間は、原則直近の5年間(日本人の配偶者、永住者等の配偶者は3年間)となります。

確認期間中に年収が大きく減った場合は注意が必要です。

・税金、保険料を支払っていない

確認期間中に税金や社会保険(健康保険、年金)の未納や延納がある場合は不許可となります。未納分を追納した場合は追納したときから期間はカウントされます。

・過去の申請内容と矛盾している

過去の入国在留履歴および在留申請内容が全てチェックされます。過去の申請内容に矛盾等がある場合は不許可理由となるため、この場合は理由書や反省文等でしっかり説明する必要があります。

・犯罪歴や交通違反歴がある

家族全員が罰金刑や懲役刑を受けていないことが必要です。また軽微な交通違反であっても、複数回繰り返している場合は不許可理由となります。

・理由書の書き方が良くない、立証資料が十分ではない

入管が疑義をもちそうな事項をあらかじめ予測して理由書でしっかり説明し、有効な立証資料を提出して誤解を防ぎ、スムーズに審査してもらえるようにすることが重要です。

不許可通知が届いたときは

不許可の理由は、主に次のことが予想されます。

  • ① 許可の要件を満たしていなかった。
  • ② 提出した資料の内容では不十分で、説明不足や誤解を生じてしまった。

不許可通知が届いた場合、通知書に簡単な理由は記載されていますが、入管に連絡して1度に限り理由を聞きに行くことができます。

この時、不許可の理由をよく確認し、②であれば不許可理由をリカバーして再申請することで許可が得られる可能性があります。

許可の確率を上げるには

永住許可申請は、提出資料が多く、また入国から現在までの在留履歴を矛盾なく明確に立証する必要があるため、資料準備に時間がかかる難易度の高い申請と言えます。面倒な手間を減らして許可の確率を上げるには、ビザ申請を専門とする行政書士や弁護士に申請の代行を依頼することをお勧めします。

また、ご自身で申請して不許可になった場合であっても、入管に理由を聞きに行く前に、行政書士や弁護士に依頼して、入管に一緒に行って理由を聞き対応を考えるのががよいでしょう。

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