在留資格を変更・更新したい場合

「在留資格変更許可申請」および「在留期間更新許可申請」は、在留資格の該当性、適合性に加え、これまでの在留状況についても審査されます。

転職などにより前回の申請内容と変更がある場合は、理由書でしっかり内容を説明し適切な添付資料をつける必要があるため専門家に任せることをお勧めします。

在留資格変更許可申請

在留資格の変更とは、在留資格を有する外国人が在留目的を変更して別の在留資格に該当する活動を行おうとする場合に、法務大臣に対して在留資格変更許可申請を行い、従来有していた在留資格を新しい在留資格に変更するために許可を受けることをいいます。

在留期間更新許可申請

在留資格を有している外国人が、上陸許可等に際して付与された在留期間を延長したい場合は、法務大臣が日本に在留する外国人の在留を引き続き認めることが適当と認めるに足りる「相当の理由がある」場合、在留期間の更新が許可されます。

解説

  • 変更許可申請又は更新許可申請ができる者は次の通りです。
    ①申請人(外国人)本人
    ②申請人本人の法定代理人(18歳未満等の場合)
    ③外国人の受入機関の職員で申請取次者として入管の承認を受けている者
    ④弁護士または行政書士で申請取次者として入管に届け出た者
    ⑤申請人本人が16歳未満の場合又は疾病その他の事由により自ら出頭することができない場合には、その親族又は同居者若しくはこれに準ずる者で入管が適当と認めるもの
  • 在留資格変更・更新の手数料(印紙代)は許可される場合、4000円必要となります。
  • 標準処理期間は2週間から1か月です。実際の平均審査日数については、下記のコラム記事をご覧ください。
      コラム記事:在留資格申請の審査日数について
  • 変更申請の場合、申請の時期は変更事由が確定した時点で行わなければならず、当該時点以降受理されます。就労系の場合は雇用契約の始期、留学の場合は入学までの期間が概ね3か月以内のときは申請が受理されます。また、在留資格変更の効力が生じる時期は、変更後の在留カードが交付された時点となります。
  • 更新申請の場合、申請の時期は、在留期間の残余期間がおおむね3か月以内になる時点以降から在留期間の満了日までとなります。
  • 在留期間満了日以前に行われた申請に対する処分が、在留期間の満了までに終了しない場合には、その在留期間満了後も、処分がされる時または従前の在留期間満了日から2か月を経過する日(特例期間)のいずれか早い時点まで、引き続き当該在留資格をもって在留することができます。
  • 特例期間中の就労については、在留期間更新許可申請の場合は、引き続き在留資格該当性の範囲内で就労できますが、在留資格変更許可申請の場合は、在留資格該当性が喪失していれば、従前の就労資格をもって就労することはできません。
  • 「配偶者」の身分資格を有していた外国人が、在留期間内に離婚し、さらに別の日本人と結婚した場合は、在留資格変更手続きではなく、在留期間の更新手続きとなります。
  • 「技術・人文知識・国際業務」「技能」等の就労資格で在留する外国人が、在留期間中に転職し、転職先で当該在留資格該当性がある業務に従事する場合は、在留資格変更手続きではなく、在留期間の更新手続きとなり更新時に審査を受けます。ただし、在留期間が3か月以上残っている場合は、転職時点において「就労資格証明書」交付申請をして、在留資格該当性・適合性を確認しておくことが望ましいです。もし、これらに適合していないことを知らずに転職した場合、転職時点以降は不法就労していたことになり、外国人本人および雇用主は刑事罰の対象となりえます。また、退職した日から14日以内および転職先の雇用開始日から14日以内に入管に所属機関に関する届出を行う必要があります。
  • 勤務先が個別に指定されている就労資格「高度専門職1号」「特定技能」「特定活動46号」等の在留する外国人が、在留期間中に転職しようとする場合は、在留資格変更許可を受ける必要があります。許可を受ける前に就労することは違法となるので注意が必要です。また、「高度専門職1号」「特定技能」にあっては、退職した日から14日以内に入管に所属機関に関する届出も行う必要があります。
  • 「永住者」への在留資格変更を希望する場合は変更許可申請ではなく、「永住許可申請」が必要となります。なお、永住許可申請中に在留期間が満了する場合は、在留期間更新許可申請を行わなければなりません。
  • 「短期滞在」からの在留資格変更は、「やむを得ない特別の事情」がない限り許可されません。

在留資格の変更・更新許可の要件

在留資格の変更および在留期間の更新は、法務大臣が適当と認める相当な理由があるときに限り許可され、「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」が公表されています。「相当性」の判断には、法務大臣に一定の裁量が認められています。

  1. 行おうとする活動が入管法で定める在留資格に該当すること。
  2. 上陸許可基準等に適合すること。
  3. 現に有する在留資格に応じた活動を行っていたこと。
  4. 素行が不良でないこと。
  5. 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること。
  6. 雇用・労働条件が適正であること。
  7. 納税義務を履行していること。
  8. 入管法に定める届出義務を履行していること。
  • 2.について、上陸許可基準は外国人が日本に入国する際の上陸審査の基準ですが、上陸許可基準が定められている在留資格(入管法別表第1の2の表又は4の表の在留資格)の活動を行おうとする者については、在留資格変更および在留期間更新にあたっても、原則として上陸許可基準に適合していることが求められます。
  • 3.について、長期間日本に不在であった場合は、合理的理由(業務上の理由、病気、家族の事情)の説明が必要となります。
  • 4.について、懲役、禁錮若しくは罰金刑等に相当する刑事処分を受けた行為などが該当しますが、罰金刑については反省文や誓約書等を提出すれば許可を得られる可能性もあります。
  • 5.について、将来において安定した生活が見込まれることが必要です。資産については世帯単位で認められれば足ります。
  • 6.について、勤務先の事業の適法性、安定性、雇用・労働条件が法に適合していることが必要です。
  • 7.について、市区町村の住民税課税証明により所得額および住民税額を確認し、住民税納税証明書により滞納の有無を確認します。また課税・納税額に大幅な変化がないかを確認することにより、安定した収入及び納税が見込めるか確認します。さらに健康保険や年金についても加入状況や滞納の有無が確認されます。
  • 8.について、住居地変更届や在留カードの記載に係る届出、所属機関等に関する届出など入管法規定されている届出等の義務が履行されているか確認されます。
  • 不利な事情がある場合は、それを隠したり虚偽の申請をするのではなく、経緯を説明する書面や客観的証拠、反省文等でしっかり説明することが重要です。なお、偽りの手段によって在留資格等を不正に取得した場合は、在留資格等不正取得罪等が成立します。

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