「永住者の配偶者等」ビザの許可要件と必要書類

在留資格「永住者の配偶者等」ビザは、永住者又は特別永住者の配偶者、永住者又は特別永住者の子として日本で出生しその後引き続き日本に在留する者が該当します。

日本に在留中に行うことができる活動や就労の範囲に制限がありません。

また、上陸許可基準はなく、必ずしも永住者の扶養を受けることは要しません。

「永住者の配偶者等」ビザの概要

活動制限 なし
就労制限 なし
在留期間 5年、3年、1年又は6か月
手数料 認定証明書 無料
変更 4000円
更新 4000円
標準処理期間 認定証明書 1か月~3か月
変更 2週間~1か月
更新 2週間~1か月

「永住者の配偶者等」ビザの許可要件

「永住者の配偶者等」の許可要件は、下記の1つです。

(1)在留資格該当性

在留資格の変更・更新の場合は、これらに加えて

(2)変更・更新を適当と認めるに足りる相当の理由があること

が必要になります。

(1)在留資格該当性

次の者が在留資格「永住者の配偶者等」に該当します。

  1. 「永住者」の在留資格をもって在留する者の配偶者
  2. 特別永住者の配偶者
  3. 「永住者」の在留資格をもって在留する者の子として本邦で出生し、出生後引き続き本邦に在留するもの
  4. 特別永住者の子として本邦で出生し、出生後引き続き本邦に在留するもの

解説

  • 「配偶者」とは、現に婚姻関係中の者をいい、相手方の永住者が死亡した者又は離婚した者は含まれません。また婚姻は「法律上有効な婚姻関係」であることを要し、内縁関係にある者は含まれません。法律上の婚姻関係が成立していても、同居し、互いに協力し、扶助しあって社会通念上の夫婦として共同生活を営むという婚姻の実体を伴っていない場合には認められません。また、合理的な理由がない限り、同居して生活していることを要します。
  • 「法律上有効な婚姻関係」とは、日本の法律に照らして有効であることであって、有効な婚姻関係が成立するためには、各当事者について本国法に婚姻障害がないこと、及び原則として婚姻挙行地の婚姻の方式が履践されていることを要します。
  • 「永住者」の子とは、出生の時に父または母のいずれか一方が「永住者」の在留資格をもって在留していた場合は該当します。「子」には嫡出子のほか、認知された非嫡出子が含まれますが、養子は含まれません。場所として日本で出生したことが必要で、母が外国で出産した場合は該当しません。(「定住者」に該当する可能性はあります)。
  • 「永住者」の子については、日本で出生から30日以内に在留資格取得許可申請をすれば、在留資格「永住者」を取得しえますが、申請期限を経過した場合や、父母の在留不良により国益適合要件を満たさないと判断された場合は、「永住者の配偶者等」の在留資格が付与されることになります。
  • 「永住者の配偶者等」の身分若しくは地位を有する者の活動であれば、活動の範囲に制限はなく、また必ずしもその配偶者又は親である永住者の扶養を受けることを要しません。
  • 正当な理由がある場合を除き、離婚等により配偶者の身分を有する者としての活動を継続して6か月以上行わないで在留すると、在留資格取消事由となります。在留資格が取り消されなくても在留状況が不良と判断され、在留資格変更許可申請において不許可となる可能性が高くなります。
  • 在留資格該当性の要件においては、当該活動の安定性及び継続性も求められるため、経済的基盤があることは、安定性及び継続性を基礎づける要素となります。経済的基盤が不十分でも、婚姻生活の安定性及び継続性の基礎を裏付ける他の要素があれば許可さえ得ます。なお、収入額については直近1年間の収入額が、申請人に被扶養者を加えた人数に78万円(国民年金の基礎年金額)を乗じた金額以上であることが一応の目安とされています。
  • 申請にあたっては「身元保証書」の提出が必要です。原則、配偶者が身元保証人となります。
  • 在留資格認定証明書交付申請および在留資格変更許可申請の際は、出入国在留管理庁所定の「質問書」(下記の入管のホームページにあります。)の提出が必要となります。申請人と配偶者が相互に意思疎通が可能な語学能力を有していることが確認されます。また親族一覧表に一部しか記載されていないなど記載内容が不自然な場合、婚姻の信憑性に疑義が持たれます。 
  • 夫婦の年齢差が大きい場合は慎重に審査されます。交際経緯や生活状況を詳細に説明する必要があります。年齢差が20歳以上であると信憑性は極めて厳格に審査されます。

(2)変更・更新を適当と認めるに足りる相当の理由があること

法務大臣は、外国人が提出した文書により、在留資格の変更・更新を適当と認めるに足りる「相当の理由」があるときに限り許可することができ、判断にあたっては下記の事項等を総合的に考慮して判断します。

  • (ア)現に有する在留資格に応じた活動を行っていたこと。
  • (イ)素行が不良でないこと。(法令に違反して懲役や罰金刑に処せられていないこと等)
  • (ウ)納税義務を履行していること。(所得税、住民税、健康保険、年金)
  • (エ)入管法に定める届出等の義務を履行していること。

解説

同居し、互いに協力し、扶助しあって社会通念上の夫婦として共同生活を営むという婚姻の実体を伴っていない場合には、合理的な理由がない限り認められません。

「永住者の配偶者等」ビザの申請に必要な書類

下記の入管のホームページから申請に必要な提出書類を確認できます。

https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/spouseorchildofpermanentresident.html

ただし、これらは最低限必要な資料となります。個々の事案に応じて理由書や追加資料を提出することが必要です。

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