海外から外国人を呼び寄せたい場合

この記事では、海外から外国人を呼び寄せる手続について解説しています。

海外に住む外国人を雇用したい場合や配偶者や家族を呼び寄せたい場合は、
 ①在留資格認定証明書を取得する
 ②在外大使館や領事館で査証発給してもらう
 ③入国(上陸審査)

という流れになります。これらについて順番に詳しく解説していきます。

在留資格認定証明書

「在留資格認定証明書」は、外国人が「短期滞在」以外の在留資格で、日本に上陸しようとする場合、申請に基づきあらかじめ在留資格に関する上陸のための条件の適合性を審査し、その外国人が行おうとする活動の非虚偽性、在留資格該当性及び上陸許可基準適合性を証明する証明書です。

「在留資格認定証明書」の交付を受けることで査証申請や上陸申請の際に提出・提示することで速やかに査証発給や上陸許可を受けることができます。

  • 「在留資格認定証明書」交付申請の申請手数料(印紙)は無料です。
  • 標準審査期間は1か月から3か月です。実際の平均審査日数については、下記のコラム記事をご覧ください。
      コラム記事:在留資格申請の審査日数について
  • 「在留資格認定証明書」の有効期間は交付の日から3か月で、それまでに上陸申請しないときは失効します。
  • 在留資格認定証明書交付申請ができる者は次の通りです。
    (1)申請人(外国人)本人
    (2)外国人を受け入れようとする機関の職員その他の省令で定める代理人
       ※詳細はこちらのページをご覧ください
    (3)弁護士または行政書士等の申請取次者
    (4)申請人本人の法定代理人(18歳未満等の場合)

査証発給

在留資格認定証明書の交付を受けた後、同証明書を添付して外国人の居住地を管轄する在外公館で査証の発給申請を行います。(短期滞在でかつ査証免除国(下記)に該当する場合を除きます)

国内で代理人による査証の発給申請はできません。また、在留資格認定証明書の交付を受けていても、必ず査証が発給されるもしくは上陸許可が得られるとは限りません。

  • 査証は、査証免除取り決め等により査証を要しないこととされている国の旅券、再入国の許可を受けている者の旅券等を除き必要となります。査証は在外公館(日本国領事館等)で発行されます。
  • 令和4年4月現在、68の国・地域との間に査証免除措置を実施しており、これらの国・地域人は、日本への商用、会議、観光、親族・知人訪問などを目的とする在留資格「短期滞在」に該当する場合は査証が免除されます。
  • 査証免除となる国・地域はこちら(出入国在留管理庁HP)
    https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/ttp2_pre-check_pre-check_document03.html
  • 査証発給申請が一度不許可になった場合は、原則として、6か月間は同一目的での査証発給申請は受け付けられません。

入国(上陸審査)

外国人が日本に入国する際、空港などで下記の「上陸審査」を受けなければなりません。

「上陸審査」(上陸するための条件)

外国人が日本に上陸する際、下記の条件を満たす必要があります。

  • 旅券及び査証の有効性
  • 活動の非虚偽性、在留資格該当性及び上陸許可基準適合性
  • 在留期間適合性
  • 上陸拒否事由非該当

旅券及び査証の有効性

  • 所持している旅券及び査証が有効なものか確認されます。

活動の非虚偽性、在留資格該当性及び上陸許可基準適合性

  • 外国人が新たに日本に入国する場合、活動の非虚偽性、在留資格該当性及び上陸基準適合性については「短期滞在」を除き、あらかじめ「在留資格認定証明書」を取得することでこれらの立証が容易になります。入国審査の際に「在留資格認定証明書」を提示します。

在留期間適合性

  • 在留期間適合性とは、具体的には外国人入国記録に記載されている滞在予定期間が、各在留資格で定められている最も長い在留期間を超える場合、入国審査官から指摘を受けます。

上陸拒否事由非該当

  • 次の各号のいずれかに該当する外国人は、本邦に入国することができません。

入管法第5条(抜粋)
 

三 公共の負担となるおそれのある者
四 日本国内・国外で、1年以上の懲役もしくは禁錮等刑(執行猶予含む)に処せられた者
五 麻薬や覚せい剤等で刑(執行猶予含む)に処せられた者
七 売春、その他売春に直接関係がある業務に従事した者
九 下記に掲げるもので、それぞれ定める期間を経過していない者

 イ 上陸拒否(退去命令)    1年
 ロ 退去強制           5年
 ハ 退去強制(リピーター)  10年
 ニ 出国命令           1年

  • 上記、四、五、七に該当する場合は原則、無期限で上陸拒否事由に該当します。
  • 上陸拒否事由に該当する場合でも、人道的配慮すべき場合は「上陸特別許可」又は「上陸拒否の特例」の適用の可能性があります。
  • 「在留期間更新許可」や「在留資格変更許可」と異なり、上陸条件には「相当性」の条件が含まれていないことから、素行不良など狭義の相当性がないことを理由にこれらの不許可処分を受けた場合は、いったん出国して改めて在留資格認定証明書交付申請を試みると認められることがあります。

  

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<この記事の執筆者>

 きたむら行政書士事務所
 行政書士 北村 重男

 出入国在留管理局申請取次資格者

  

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