「永住者」ビザの許可要件と必要書類

この記事では、在留資格「永住者」の許可要件と必要書類について解説しています。

なお永住権の取得に関しては、当事務所が運営している

永住ビザ専門Webサイト : 「外国人永住ビザ申請サポート

でも詳しく解説していますので、こちらもご覧ください。

在留資格「永住者」は、在留活動および在留期間にいずれも制限がなく、また、日本における社会的信用度も上がり大きなメリットがあります。

しかし、他の在留資格と比べて許可率が50~60%程度と低く、また要件が複雑で提出書類も多いため、永住許可申請は専門家である行政書士に依頼することをお勧めします。

「永住者」ビザの概要

在留期限 なし(在留カードの有効期限は7年間)
就労制限 なし
標準処理期間 4カ月(6か月~1年のケースが多いです)
許可率 50~60%
許可時の手数料 8000円
居住地などの変更届義務 あり

「永住者」ビザの許可要件

永住許可の要件は、下記の3つです。

  • 素行善良要件
  • 独立生計要件
  • 国益適合要件

素行善良要件

素行善良要件とは、「法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること」です。

具体的には、

  • 家族全員が懲役、禁錮、罰金に処せられたことがない。または懲役、禁固刑期を終え10年以上経過しているか、罰金刑、執行猶予期間を経過し5年以上経過していることが必要です。
  • 道路交通法違反等軽微な法違反でも繰り返し行っている場合は不許可の可能性が高くなります。

独立生計要件

独立生計要件とは、「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」です。

日常生活において公共の負担とならず、その者の職業または資産などから見て将来において安定した生活が見込まれることが必要になります。

具体的には、

  • 生活保護を受けていないこと。
  • 申請者の年収が、概ね300万円+扶養者1名当たり60~80万円程度あること。
  • 日本人・永住者・特別永住者の配偶者またはその実子である場合は、独立生計要件は免除されますが、扶養者の年収が上記を満たすことが必要です。
  • 申請人だけでなく世帯単位で見た場合、安定した生活を続けることができると認められる場合これに適合するものとして扱われることがあります。また収入だけでなく、預貯金や不動産などの資産も考慮されます。

国益適合要件

国益適合要件とは、「その者の永住が日本国の利益に合すると認められること」です。

その内容は次の5つがあります。

原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していること。

  • 特例① 
    日本人・永住者・特別永住者の配偶者の場合、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上本邦に在留していること。その実子又は特別養子の場合は、引き続き1年以上日本に在留している者。
  • 特例② 
    「定住者」の在留資格を付与された後、引き続き5年以上日本に在留している者。
  • 特例③ 
    3年以上日本に在留している者で、高度人材外国人ポイント70点以上を、永住許可申請の3年以上前から有している者。
  • 特例④ 
    1年以上日本に在留している者で、高度人材外国人ポイント80点以上を、永住許可申請の1年以上前から有している者。

解説

  • 「引き続き」とは、在留資格が途切れることなく在留を続けることをいいます。一度の渡航で3か月以上、もしくは180日以上国外に滞在していないことが必要です。(この場合、在留期間がリセットされます。ただし、合理的な理由がある場合は総合的に国益適合要件が判断されます。)
  • 入国在留履歴の総チェック。これまでの在留状況が再チェックされます。
  • 配偶者又は親が永住許可相当と判断される場合の配偶者又は同一世帯に所属する子については、居住年数要件を満たしていなくても永住許可の可能性があります。例えば、「家族滞在」であった場合、従前から「永住者の配偶者等」の在留資格を有していたものとして、特例①の居住要件で審査してもらえます。
  • 詳細はこちらのページでも解説しています。→「永住ビザ取得に必要な年数」

罰金刑や懲役刑を受けていないこと。


納税、公的年金、医療保険料を納付していること。入管法上の届出を行っていること。

解説

  • 所得税、住民税、年金、健康保険料の未納や遅れがないこと。これらがあった場合、追納から確認対象期間を経過した後に申請することとなります。
  • 家族全員が納税義務を満たしていることが必要です。

現に有している在留資格について、最長の在留資格を持っていること。

当面は在留期間3年以上を有する場合は、最長の在留資格を有すると取り扱われます。

公衆衛生上の有害がないこと。

大麻、麻薬中毒者、感染症罹患者でないこと。

著しく公益を害する行為をするおそれがないこと。

  

身元保証人がいること。

身元保証人は日本人もしくは外国人の場合は永住者で定職を有する必要があります。
身元保証人の保証の内容は滞在費・帰国費用・法令遵守の3つです。

その他

  • 申請中に在留期限を迎える場合は、更新申請が必要となります。
  • 双方が外国人で、父または母が永住者である者の子は、日本における出生により「永住者」の資格を取得しえます。国益適合のみが要件となり出生から30日以内に取得申請が必要です。

在留資格別の永住許可申請条件と必要書類

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<この記事の執筆者>

 きたむら行政書士事務所
 行政書士 北村 重男

 出入国在留管理局申請取次資格者

  

  

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